「しっかりあいさつしよう」
ようやく立ち上がり、整列に向かった山根だが、顔を上げることができない。鹿屋(かのや)中央の校歌が流れる間も涙は止まらず、両側の選手に支えられていた。
半田監督が「守備はピカイチ」と信頼する山根に、何が起きたのか。試合後、「僕のせいで…」を連発しながら、ようやく話してくれたのは、「バウンドが変わって捕り損ね、頭が真っ白になりパニックになってしまいました。知らない間にファーストに投げていた」。
「三塁走者が走ればバックホーム。動かなければ併殺狙い」のベンチの指示が複雑すぎたとの指摘もある。二者択一でなく本塁返球に集中させるべきだったのではないかと。だが、監督が山根をはじめとする内野の守備力を信頼しての指示だ。批判はできない。