ISは、2つのシナリオをよく計算した上で米国を挑発している。
第1は、オバマ政権が本格的な武力介入によるIS掃討作戦に踏み切ることを躊躇(ちゅうちょ)するシナリオだ。この場合、「米国はISを恐れ、手出しができない。中東から米国の影響を駆逐して、神権政治を構築する機会が到来した」と策動を一層強化する。
第2は、米国が地上戦を含む本格的な軍事介入に踏み切るシナリオだ。その場合は、「米国によるイスラームの館への侵略を阻止する聖戦(ジハード)を貫徹せよ。この聖戦における殉教者(シャヒード)は、天国にいくことができる」と、世界的規模でのゲリラ戦とテロ活動を煽動(せんどう)する。特に、懸念されるのが、パレスチナのスンニー派過激組織ハマスだ。
ハマスは、イスラエルのみならずヨルダン王室に対する攻撃を強め、地域情勢の不安定化を試みる。ISやハマスなどのスンニー派過激組織は、ヨルダンの王制を打倒することで、アラビア半島から北アフリカにイスラーム原理主義国家を樹立することを考えている。