JR東海は、リニアの建設工事が沿線7都県に与える環境影響評価(アセスメント)の最終的な書面もまとめ、国交相や沿線の知事・市町村長に送付した。金子副社長は「総力を挙げて充実した内容に仕上げた」と強調した。
国交省は工事実施計画の技術面や安全面などを審査。認可を得れば、JR東海は各地に工事事務所を構え、沿線住民の説明会や用地の取得を本格化させる。
国の資金援助受けず
リニア中央新幹線は最高時速約500キロで走行し、品川-名古屋間を40分で結ぶ。建設費はJR東海が全額を自己負担するとしている。
金子副社長は会見で、巨額の資金負担について、「健全経営、安定配当をしっかりと堅持しながら(工事を)やっていくよう努力したい」と述べた。JR東海では、さまざまな政治圧力を避ける思惑もあり、国の資金援助を受けない方針を表明している。バークレイズ証券の姫野良太アナリストは「(収益源である)東海道新幹線を通じ、安定的なキャッシュフロー(現金収支)を毎年度生み出していくことが求められる」と指摘する。