何とか気を取り直して、比較的交通が便利なふもとの町に下ってみると、半ばゴーストタウンと化している。昔は映画館が2軒もある田舎の「○○銀座」だった旧街道沿いの商店街は、広大な駐車場付きで国道沿いにオープンした広々とした大型スーパーに客をとられ、空き家だらけだ。この光景は日本全国いたるところで見られる。
東京の「独り勝ち」
ちなみに、総務省の「2013年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家数は過去最多の820万戸(マンションなどの共同住宅の一室も含む)で、空き家率は過去最高の13.5%に増えた。都道府県別で空き家率が最も高かったのは山梨県(17.2%)で、愛媛(16.9%)、高知(16.8%)。なるほどわが郷里は最悪水準である。
価格が一定水準まで下がれば買い手がつくのが市場原理というものだが、住居としての資産価値は十分あるはずなのに買い手がつかないから、市場価格はゼロ。国土交通省は、こうした各地の住宅価格を一括して調べた「住宅価格指数」を最近試験的に算出した。