グラフでは住宅価格指数の全国平均、京阪神圏と東京都を対比してみた。「アベノミクス」が始まった13年1月以降、指数が上がっているのは東京都だけで、全国平均も京阪神も共に13年9月以降下がり続け、長期化する資産デフレのトレンドから抜け出せないでいる。中部圏もやはり全国の動向と傾向は同じである。要するに、東京の「独り勝ち」なのである。
上記のような値のつかない空き家が全国いたるところにあるのに、東京では狭苦しくて価格が高い住居がひしめいている。もちろん、東京の都区部でも空き家は散見されるが、いつでもよい値で売れる、つまり市場価値が十分ある点で地方とは決定的に異なる。
ミスマッチ
東京など巨大都市から、より安く広く快適に住める地方に人口移動が起きるというのが、市場原理というものである。各地域や集落に人が住めるようにする国と地方自治体の政策があってこそ、住まいの市場原理が機能する。人、特に現役世代がいない自治体は存続しえない。