もし和片を複数組み合わせ、物語を空想して遊んでみるなら、京の街並みと風俗を俯瞰(ふかん)で描いた?風絵「洛中洛外図」がモチーフの手ぬぐいがおすすめだ。第一扇、第二扇…と〝エリアごと〟に?風絵の図柄を手ぬぐいにした。東本願寺、五条橋、清水寺…など好みのエリアの手ぬぐいを舞台にオリジナルの百鬼夜行図を作るのも楽しそうだ。
面白さがひと目でわかる
京東都のブランド誕生は2007年。京都・亀岡の刺?工房「ドゥオモ」が、「京都の伝統」と「東京の今」の要素を掛け合わせ、和のデザインを世界に発信する刺?ブランドとして立ち上げた。当時、紳士・婦人服の刺?加工の下請け受注は先細りの一途。そこで別のデザイン会社でドゥオモ社のホームページを手掛けていた堀場さんが「刺?の面白さがひと目でわかるブランドを作っては?」と投げかけ、京東都が誕生。2007年に展示会「デザインタイド トーキョー」で、友禅の墨染め技術で染めた手ぬぐいに、赤い糸で漢字のモチーフを刺?した「かちんシリーズ」を発表。反響が大きく、アイテムの展開が広がっていった。
和片が最初にできたのは、10年。洛中洛外図の中の人々をモチーフにした。洗濯や井戸の水くみなどして働く女性、托鉢する僧侶などを、刺?機械の制約により一筆書きのような表情で和片にしたところ、これが好評を得た。