とはいえ、小人探しも容易ではない。地図上の場所を探してもなかなか見つからず、あきらめて空を見上げると、意表を突くように小人が街灯の上方から見下ろしていた。ある家族連れは2日間探し回ったが、見つかったのは約90体という。
ルーツは反体制運動
なぜ、街のシンボルが小人なのか。「なにか伝統でもあるのだろうか」。街の近郊出身の若者もそう首をかしげた。謎を解くヒントは小人像“第1号”とされる「パパ小人」にあった。他の小人像より大きく、趣も異なる。正式名は「オレンジ・オルタナティブ記念碑」で、01年に建立された。
オレンジ・オルタナティブとは、旧共産党支配下のポーランドで戒厳令が出ていた1980年代前半、ウロツワフで始まった反体制運動だ。当時、街中には体制批判の落書きがあふれたが、当局は白ペンキで上塗りして消した。これを皮肉るように若者が三角帽子の小人をその上から描き始め、それが広がった。