ポーランドの民主化運動では自主管理労組「連帯」が知られる。だが、オレンジ・オルタナティブの若者らもその後、ユニークな運動を展開し、80年代後半にはウロツワフやワルシャワで小人姿でデモを行うなどして注目された。
ウロツワフ中心部から外れた住宅街に当時の落書きが残っていた。建物は壁が塗り替えられるなど改修されていたが、正面ドア横の一部は当時のまま。オレンジ色の三角帽子をかぶった小人の絵が色あせながらも、ガラスで保護されていた。
「当時のことは幼くて覚えていないが、本で勉強した。面白い運動だ」と通りかかった大学勤務のヤクブ・サラニックさん(30)。市は公式には小人像と運動の関連はないとするが、「どんどん増えるのは当時と似ていて歴史を思い出させてくれる」と同僚のアレク・シェンキビッチさん(40)はほほ笑んだ。(宮下日出男、写真も/SANKEI EXPRESS)