8月27日に都内で開かれた第7回世界公共放送研究者会議で挨拶するNHKの籾井勝人(もみい・かつと)会長=2014年(提供写真)【拡大】
第2は、欧米諸国研究者の多くが、自国(群)をデモクラシーのモデルとして議論する傾向があることだ。今回も、ミャンマーの放送関係者が、インドや中国、米国の各大使を招いて自国の外務官僚や学生たちと議論させる番組を作ったと紹介したら、欧米の研究者から「自国の政治体制をどうするのか」という詰問調の発言が出た。発言には、欧米が途上国に対し、「でも暮らしいい(デモクラシー)」植民地政治を行い、犠牲を強いてきたという反省がないものだ。
第3は、肝心の公共性とは何なのかについて突き詰めた議論がなされなかったことだ。「他者との関係性」において、「公益性」がプラス面となる一方、「プロパガンダ(宣撫工作)」のマイナス面がある。その是正に公共放送は取り組んでいない。
第4に、公人の公共的側面と私的側面の区分けについても議論されなかった。例えば、選挙で選ばれた政治家は有権者の期待に応え、付託された責務を果たさねばならない。とすれば、最低でも、いつ何時でもそれに対応するための連絡網につながっていなければならない。