中国・香港【拡大】
今年初め、やはり民主派寄りの香港紙「明報」の編集幹部が何者かに襲撃されて重傷を負った事件があった。この事件をきっかけに明報の報道姿勢が徐々に民主派から離れつつあるとの観測もある中、「リンゴ日報は香港に残された数少ない言論の自由の砦」(地元紙記者)になっていた。
家宅捜索はまだ第一幕
ただ、黎氏やリンゴ日報が今後、直面する歴史の激変期にあって、家宅捜索などは第一幕にすぎない。
香港の民主派団体は、金融街を大群衆でうめつくす街頭抗議「セントラル(中環)占拠」の実行を呼びかけている。これを違法行為と非難している中国や香港政府は「中環占拠」が実行された場合、黎氏を動乱の陰謀者などとして摘発する恐れがある。また、金融街封鎖で損害を被ったなどとして、金融機関などが黎氏に損害賠償を求める民事訴訟を起こす懸念もある。