2009年、JR東海は社内に「海外高速鉄道プロジェクトC&C事業室」を設置。14年には台湾高鉄と車両の運行システムに関するコンサルティング契約を結んだ。
C&C事業室は「できる限り東海道新幹線のシステムに同一化できれば、台湾新幹線のさらなる安全性向上に貢献できる」(落合克典担当課長)と説明する。
新幹線輸出の旗振り役を務めるJR東海の葛西敬之(よしゆき)名誉会長は「新幹線の技術を世界標準にしようと思えば、日本以外で成功するのは貴重」と強調。台湾新幹線を今後のインフラ輸出の代表事例に位置付ける考えだ。
国家プロジェクトに
日本では新幹線輸出を後押しする政府の動きが目立つ。官民一体の国家プロジェクトとして本格的に乗り出し、安倍政権の成長戦略の柱としても盛り込まれた。
太田昭宏国土交通相(68)は8月、マレーシアのクアラルンプールとシンガポールを結ぶ高速鉄道計画で、日本の新幹線システムを採用するよう売り込んだ。9月には、インドの計画でも新幹線導入を働き掛けた。