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新幹線は読書のリズムにもってこいだ セイゴオ流マーキング読書術の秘密 松岡正剛 (1/3ページ)

2014.5.21 18:10

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

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 【BOOKWARE】

 飛行機が苦手だ。あるとき風邪気味の体調でサンフランシスコからの帰りに乱気流に突っ込んで、耳がとんでもなく痛くなった。すぐに耳鼻咽喉科に走ったところ、鼓膜が引っ込んでます、ヤバイですと言って、原始的なフイゴ(鞴)のような器具で鼓膜をぐいぐい吸いこんだ。あげくは「松岡さんは耳管が細いんで気をつけてください」だ。以来、飛行機が大いに苦手になった。

 もともとぼくは乗り物でも本が読めるタチである。酔いはしない。必要ならタクシーでも本や文書を読む。とくに列車はお誂(あつら)え向きで、たいていは果敢なリーディング・ライダーになっている。東京-京都間くらいだと、往きも復(かえ)りもしっかり数冊が読める。ただし、ぼくには度しがたい欠陥もある。筆記用具がないとからっきしなのだ。

 マーキングをしながら本を読む。これがぼくの最も基礎的な読書法になっている。そのマーキングの仕方にも何種類もの手法があって、調べものちょいちょい型、勝手お遊び型、精読征服型、短距離アスリート型、文意触発型、疑問析出型、八双とびとび型、陶酔陶然型、連想しまくり型…等々、選んだ本の質感やそのときの気分や場所によって変わる。その手法が何になるかは、本を開き、右手にシャープペンシルやボールペンを持ったとたんに決まるのだ。ということは筆記用具がないときは、著者の言いなりになりかねないということになる。

青いボールペンや赤いサインペン

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