【BOOKWARE】
京都麩屋町にisis(イシス)というオリジナルのジャワ更紗を制作販売しているお店がある。石田加奈さんが毎年数カ月、現地に入って、職人たちとつくりあげたものばかりだ。おそらく日本で見られる最高の文様であり、最高の出来だろう。その更紗を、この3日間にわたって、ゴートクジの本楼で「そ乃香:ジャワ更紗するガイジン」と題して展示した(→右の3枚の写真)。高価なのだが、入手する人が多かった。石田さんのゆっくりとした鳥が飛ぶような説明に、誘われるように酔う人も多かった。
田中優子に『布のちから』がある。アジアや南米の布を紹介しつつ、布がもつ生命的な「ちから」を綴ったもので、触発されることが多い。なかで「トゥンパル」というバティック(更紗)に特有の模様も取り上げられている。ふつうは世界山や生命樹を象(かたど)ったものだと言われるのだが、田中さんは「呪力のある皮膚」を感じると書いていた。