ところで、田中優子はこの4月から法政大学の総長になった。驚いたけれど、真剣な授業、自由自在なゼミ、社会と大学をつなぐための仕事、アジアとの交流など、決して手を抜いてこなかった田中さんなら、きっと新たな成果をもたらすだろう。着物大好きな総長センセーの、『きもの草子』なども読まれたい。(編集工学研究所所長・イシス編集学校校長 松岡正剛/SANKEI EXPRESS)
【KEY BOOK】「ジャワ更紗:いまに生きる伝統」(伊藤ふさ美・小笠原小枝著/小学館、1728円)
更紗の語源はジャワ語の「サラサ」。「花の模様を撒く」という意味をもつ。しかし今日では本物のジャワ更紗はあまり作られなくなって、現地でも着る人も少ない。それを石田加奈は再生しているのだが、本書はその伝統を伊藤ふさ美が現地に工房を訪ね、往時の更紗を再構成したもの。吉本忍『ジャワ更紗』、富田博司『BATIK』、吉岡幸雄『ジャワ更紗文様図鑑』、小笠原小枝による別冊太陽『更紗』なども見られるといい。溜息が出る。