習近平国家主席や胡錦濤前国家主席の母校としても知られる名門、清華大学。中国共産党中央組織部と教育省が出した党幹部の高学歴取得禁止令によって、9月から各大学院の社会人コースで退学ラッシュが起きているという=2007年9月27日、中国・首都北京市海淀区(共同)【拡大】
党幹部以外で大学のEMBAコースなどに通うのは、民間の中小企業の経営者が多いという。彼らの中には、教育を受ける目的よりも、政府高官と知り合い、人脈づくりをしたいと考える者もおり、「中国の大学院は政財癒着の温床になりつつある」と指摘する中国人記者もいる。共産党当局が今回、禁止の通達を出したのは、こうした批判の声を意識した可能性が高い。発表を受けて、インターネット上には「党幹部の特権が撤廃された」といった歓迎の書き込みが寄せられた。
しかし、習近平国家主席(61)も李克強(り・こくきょう)首相(59)も高級幹部になってから、大学院の社会人コースで博士号を取得している。杜家毫(とかごう)・湖南省長(59)らのように数年前にEMBAコースを卒業したばかりの地方指導者も多い。共産党当局はこれまでに、党幹部の大学院進学をむしろ推奨してきた。いきなり政策転換したことに対し、一部の党幹部は「指導部のメンバーは自分のことを棚に上げて下ばかりをいじめている」と批判している。
大量退学で大打撃
大学経営にも大きな打撃を与えたようだ。ある大学関係者によれば、党幹部たちがそろって退学したことで、学校に行く意味がなくなったと思った企業経営者も退学し、今後、学生が激減する可能性がある。北京大、清華大を含む多くの中国の有名大学は、社会人を対象とした大学院教育を重要な資金源にしている。国から与えられた教育経費が少ないため、大学院の副収入が少なくなれば、しわ寄せが他に及ぶ可能性もある。