27日午前11時53分ごろ、長野県と岐阜県にまたがる御嶽山(おんたけさん、3067メートル)が噴火した。長野県によると、各山小屋に連絡を取り、登山者のけがの状況を確認したところ、少なくとも16人が意識不明となっている。山頂付近には一時250人を超える登山者らが取り残された。安倍晋三首相は被災者救助のため、自衛隊の派遣を指示した。
降灰、息苦しいほど
御嶽山の噴火はごく小規模な噴火だった2007年3月以来。気象庁によると、9月中旬に火山性地震が増加していたが、ほかの観測データに変化はなく、警戒レベルは5段階のうち「1(平常)」を維持。噴火後に「3(入山規制)」に引き上げた。気象庁は、会見で「噴火の予測は難しかった」とした。
観測では27日午前11時から午後5時までに計313回の火山性地震があった。うち約240回は噴火前後の約2時間に集中し、その後は減少傾向になった。ただ、「今後も同規模の噴火が起きる可能性がある」とし、火口から4キロ程度の範囲で大きな噴石の飛散の危険があると警戒を呼び掛けた。