【笑顔のアスリート学】
先日、1通の手紙が届いた。送り主は以前、私が講演した中学校の生徒からだった。
「ハギトモ先生から教えてもらった『優しく勝つ』を実践できました。勝負の前に人に優しくするなんて大変なことだと思っていました。でも私が大変な時、人を気づかうことで心が落ち着きました。心が落ち着いたので、集中することができて、勝てなかったライバルに勝つことができました。勝ったこともうれしいけど、大変な時に人に優しくできたことがうれしかったです。自信になりました」
涙が出てしまうほどうれしい報告だった。
勝負の世界に、優しさは必要ないという人もいる。もちろんさまざまな考え方があって当然だ。しかし、私はその度に「優勝」という漢字を思い浮かべてしまう。なぜなら「優勝」には、優しいという文字が入っているから。あることがきっかけで、そのことを強く気づかされた。