シドニー五輪の水泳女子200メートル背泳ぎ決勝で、3位に入り銅メダルを獲得した中尾美樹さん(左)は、筆者(萩原智子さん)から祝福を受け、涙があふれた=2000年9月22日、オーストラリア・シドニー(川村寧撮影)【拡大】
人はそれぞれの道を歩み、生きている。苦しいことも、悲しいこともある。もちろん、うれしいことも、楽しいことも経験する。それは、生きているからこそ味わえる最高の気持ちなのだ。人間にしかない豊かな感情。私はそんな人との触れ合いが大好きで、大切にしている。人の優しさ、これは本当に素晴らしいと思う。
私はこの34年間で、たくさんの優しさに出合ってきた。励まされる優しさ、助けてもらう優しさ、ただ隣にいる優しさ、言葉の優しさ、厳しさの中にある優しさ、手からあふれる優しさ、人を大切に思う優しさ、支えたい、応援したいと思う優しさ、周りへ感謝する優しさ。本当に数多くの優しさがある。そんな優しさが、人の心を豊かにし、成長させてくれるのだと思う。(日本水連理事、キャスター 萩原智子/SANKEI EXPRESS)
■はぎわら・ともこ 1980年4月13日、山梨県生まれ。身長178センチの大型スイマーとして、2000年シドニー五輪女子200メートル背泳ぎ4位、女子200メートル個人メドレーで8位入賞。02年の日本選手権で史上初の4冠達成。04年にいったん現役引退し、09年に復帰。子宮内膜症、卵巣?腫(のうしゅ)の手術を乗り越え、現在は講演・水泳教室やキャスターなどの仕事をこなす。