女性監督が健闘
今年のコンペ作品はアジアからの作品が多かった。また女性監督が8作品中3作品と健闘した。訪れた観客からは作品の質が高いと評価をいただき、結果、観客賞には「おみおくりの作法」(ウベルト・パゾリーニ監督)。こちらは年明けに日本の公開が決まっているのでぜひ劇場で見ていただきたい。そして栄えあるゴールデン鹿賞には「The Night」が輝いた。この作品の監督は弱冠22歳の中国人大学生、ジョウ・ハオ氏でこれからを大いに期待された。来年1年かけて完成する奈良を舞台にした映画づくり、ナラティブプロジェクトの監督に就任してもらう。今年度いっぱいかけてロケ地を選定してゆく予定だ。
来年再来年にかけて式年造替(しきねんぞうたい)を迎える世界遺産の春日大社(奈良市春日野町)では感謝・共生の館にて「四つのいのち」(2010年、イタリア・ドイツ・スイス合作、ミケランジェロ・フランマルティーノ監督)の上映と、上映後には本殿横の回廊に光を入れていただく奉納上映会を行うことができた。これらの上映料はすべて造替への寄進とさせていただく。闇に照らされる炎の向こうに1000年続いてきた祈りの場とそれらを守ってきた先人の知恵を思った。