北方領土の国後島に配備されたロシア軍のT80型戦車。「力でしか現状変更しない国」と外交決着を図るには、畏怖させる覚悟だけでも示す必要がある=2011年2月19日(提供写真)【拡大】
天晴れ凄絶な最期
と突然、編隊長機がグイグイと機首を持ち上げた。見る間に飛行場中央で4機は一糸乱れぬ垂直上昇を始める。上昇力が尽きるや、そのまま2機ずつ左右へと、正確に上昇反転(宙返り)。全機唸りながら真っ逆さまに地面に迫る。見事等間隔を保ったまま、天地を裂く大爆音を立てて大地に砕けた-隼たちの最期であった。見苦しく動揺するソ聯軍将校の問いに帝國陸軍将校は説明した。
「日本では古来、武運拙(つたな)く負け戦(いくさ)となりし時、武士(もののふ)として腹を切る。今のは、飛行機乗りによる腹切りの作法である」
ソ聯軍は肝を潰し傲岸無礼(ごうがんぶれい)が影を潜めた。四烈士は「切腹」前、未占領の飛行場で真新しい下着に替え、整列して遠く東の空に向かい宮城遙拝(きゅうじょうようはい)し「天皇陛下萬歳(ばんざい)」三唱を済ませていた。何と天晴(あっぱ)れ凄絶(せいぜつ)な覚悟か。