ただ、対話の日程は正式に決まっていない。林鄭氏は3日、全国人民代表大会の「決定は撤回できない」と述べ、学生らが求める行政長官選挙制度改革案の再改定を否定した。アドミラリティ(金鐘)や九竜地区モンコック(旺角)などの占拠も続いており、対話が実現しても撤退につながる成果が出せるかは不透明だ。(香港 河崎真澄、田中靖人/SANKEI EXPRESS)
≪デモ隊内にスパイ疑惑 募る不信感≫
大規模デモで混乱が続く香港中心部の政府本部庁舎前では6日朝、職員が部分的に撤去された鉄柵の隙間を通って続々と出勤した。一方、5日夜に一部の封鎖を解くことで警察当局と合意したと発表した学生が「警察のスパイ」ではないかとの疑惑が浮上。長期化でデモ隊に疲労の色が濃くなるなか、学生らは警察への不信を募らせている。
庁舎前には出勤を見届けるため香港や海外のメディア関係者約50人が集結。デモに参加する学生も駆け付けたが、大きな混乱はなかった。
職員は庁舎入り口に残る鉄柵を険しい表情で見詰める。ある女性職員は「学生のやり方は私たちの生活に悪影響を与えており、誤りだ」と大声で訴えた。