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【野口裕之の軍事情勢】御嶽山でも大活躍する自衛隊の「ハラハラ・イライラ哀史」 (3/5ページ)

2014.10.13 08:00

 その際、輸送部隊は“交通違反”を犯した。最新型は、ペアで運用する専門のトレーラーをまだ保有していなかった。旧来型用トレーラーを代用したが、荷台の両側からキャタピラがはみ出してしまう。長距離移動中、隊員は「違反がバレないか、ハラハラし通しだった」。

 反軍思想を反映した隠語

 島原城内に急造した自衛隊員用の救護所=野戦病院でも、医官=軍医や看護官=衛生兵がハラハラしていた。自衛官に混じり、居残った一部民間人も救護所に足を運んだ。一般診療所・病院の多くが閉鎖され、救護所をアテにしたのは当然だった。

 だが医官が特定場所で一定期間以上、一般医療に従事するには医療法上、地方厚生局への診療所開設手続きが必要となる。7年後の長野冬季五輪でも、ゲレンデに設置された救護所の赤十字旗を見た民間の患者が多数訪れ、医官は「人道措置、人道措置と自らに言い聞かせ、ハラハラしながら治療した」。

 自衛隊の出動には「ハラハラ」に「イライラ」が加わる。

 自衛隊内にはかつて「ラスト・イン/ファースト・アウト」なる隠語が存在した。災害救助の原則対処は地方自治体で、自衛隊が発災当初姿を現すと「軍の出動」と反発を買う時代にあって「災害が収まり始めた頃に入り、サッサといなくなる」という“教訓”。

保健所員の仮設浴場査察

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