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【野口裕之の軍事情勢】御嶽山でも大活躍する自衛隊の「ハラハラ・イライラ哀史」 (5/5ページ)

2014.10.13 08:00

 実のところ、公衆浴場法は《反復・継続使用》が前提で仮設浴場は適用外。保健所関係者は「当時は前例が極めて少なく、保健所員は法律を理解していないか、お咎めを恐れ所掌か否かも不明なまま『とりあえず“職務遂行”を』と、思ったのでは」と推測する。

 ところで雲仙・普賢岳噴火後、非避難地区沖には海自艦が連日遊弋(ゆうよく)した。「住民救出用」か尋ねると、オフレコを条件に意外な答えが返ってきた。

 「大中型艦は水深が浅く接岸できない。噴火で住民がパニックに陥らないよう、訓練海域を変えるなど工夫し、安心材料として遊弋させている」

 確かに、海自艦確認は一部住民の日課となっていた。災害時、自衛隊は国民のハラハラ・イライラを解消する先兵でもある。一方、災害はもちろん有事でも、もっともっと自衛隊の自主的裁量を広げなければ、自衛隊のハラハラ・イライラは募る。自衛隊のハラハラ・イライラ解消は国益・国富守護に直結する=真理を正視しよう。

 大きな危機において、法律は時として沈黙すべきだ。(政治部専門委員 野口裕之/SANKEI EXPRESS

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