【国際情勢分析】
中国政府が世界各地の大学と提携して展開している文化機関「孔子学院」をめぐり、北米で閉鎖の動きが相次いでいる。孔子学院の運営には中国政府の「価値観」が色濃く反映されるといわれ、米国大学教授協会(AAUP)は6月に発表した声明で、「孔子学院は中国国家の手足として機能しており、『学問の自由』が無視されている」と批判、関係を絶つよう各大学に勧告していた。孔子学院との関係見直しは今後、拡大する可能性がある。
123カ国・地域に465校
孔子学院は、海外での中国語の普及や中国文化の宣伝の拠点として、中国政府が2003年、国家プロジェクトとして立ち上げた。管理・運営の主体は、中国教育省が管轄する国家漢語国際推広領導小組弁公室(漢弁、本部・北京市)だ。
2004年に韓国・ソウルに1校目を開設した後、欧米、アフリカ、アジアなど各地で設置が進み、現在123カ国・地域に465校がある。そのうち約100校が米国に集中し、日本でも、立命館大学や桜美林大学など10以上の大学にある(漢弁のホームページより)。