西アフリカで流行するエボラ出血熱について、米国で看護師2人が二次感染したことが国内の医療関係者にも衝撃を与えている。原因は調査中だが、医療水準の高い先進国で起きた二次感染はひとごとではない。厚生労働省は21日、ウイルス流入を防ぐため、空港での水際対策を強化。医療機関も研修を行い、「万が一」に備えている。
高熱の人間を検知
現地報道などによると、リベリア人男性は9月20日に米国に入国。26日に体調不良を訴えて受診したが、抗生剤を処方されて帰宅し、ダラス市内の大規模病院に搬送されたのは9月28日だった。男性はその後、エボラ出血熱で死亡した。
エボラ出血熱は患者を早期に発見、治療することが生存率を上げるとされ、二次感染の予防にもなる。
エボラは現在、ギニア、シエラレオネ、リベリアの西アフリカ3カ国で流行。セネガルとナイジェリアにも広がったが、この2カ国の流行は終息した。しかし、米国とスペインでは患者の治療に当たった看護師計3人が二次感染する事態になった。