バラク・オバマ米大統領(53)は24日、エボラ出血熱を克服し、この日ワシントン近郊の国立衛生研究所(NIH)から退院した女性看護師、ニーナ・ファムさん(26)をホワイトハウスに招き、抱擁(ハグ)を交わして治癒を喜んだ。大統領と退院直後の元患者の面会は異例で、しかもハグまでして迎えるのは安全保障上、問題があるのではないかとの指摘もあるが、オバマ氏は25日の週末恒例のビデオ演説で「恐怖ではなく、科学的事実に基づいて行動すべきだ」と強調。安心を演出することで国民に不安が広がるのを抑える狙いが見てとれた。
「感染しない」力説
ファムさんは、米国内で初めてエボラ熱患者と診断されたリベリア人男性=死亡=が先月28日に入院したテキサス州ダラスの病院で、この男性の治療に携わっていた際に二次感染。米国内で感染した初のケースとなった。ダラスの病院で、リベリアでエボラ熱にかかった後、米国で治療を受けて回復したケント・ブラントリー医師(33)から抗体を含む血漿(けっしょう)の輸血を受け、NIHに転院していた。