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【野口裕之の軍事情勢】切れ目なきグレーゾーン対処という切れ目 (5/5ページ)

2014.10.27 06:00

陸上自衛隊の実弾射撃訓練「富士総合火力演習」で展開する74式戦車。自衛隊の作戦を担保する現行法は「こうあるべき」論に支配され、柔軟な即応を阻害している=2014年8月23日、静岡県の東富士演習場(酒巻俊介撮影)

陸上自衛隊の実弾射撃訓練「富士総合火力演習」で展開する74式戦車。自衛隊の作戦を担保する現行法は「こうあるべき」論に支配され、柔軟な即応を阻害している=2014年8月23日、静岡県の東富士演習場(酒巻俊介撮影)【拡大】

 ミサイルが数分で着弾する時代。自衛隊の現場指揮官は、複雑な法体系を前に「法律家」の能力まで要求される。滑稽では済まされぬ、歪(いびつ)な法体系ができ上がった源流に、自衛隊の前身=警察予備隊・保安隊の生い立ちがある。予備隊・保安隊は警察の対応が不可能か、著しく困難な場合の補完組織として法制上位置付けられた。ところが、自衛隊になっても法律で同じ位置付けが引き継がれた。

 軍は外敵への備えで、国民の自由・権利侵害を前提としない。従って、軍の権限は《原則無制限》で、国際法などで禁じられる行為・行動以外は実施できる《ネガティブ・リスト》に基づく。これに比べ警察活動は、逮捕に象徴されるが、国民の自由・権利を制限する局面があり《原則制限=ポジティブ・リスト》となっている。だのに、自衛隊は警察同様ポジ・リストで、行為・行動を一つ一つ国内法で縛られた。

 できることを羅列する現行法は、自衛隊が実施不可能な作戦を敵に通報するに等しい。自衛隊最高司令官の安倍首相も自ら、集団的自衛権を理解できない国民に、何ができるか具体的に例示してしまった。恐ろしいことに国を挙げて無意識に「利敵行為」を犯している。

 中国軍の高笑いが聞こえる。(政治部専門委員 野口裕之/SANKEI EXPRESS

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