紙すき作業をする「細川紙技術者協会」の鷹野禎三会長=2014年10月28日、埼玉県秩父郡東秩父村(栗橋隆悦撮影)【拡大】
見直すきっかけに
ただ、厳しい現実もある。島根県の石州半紙は5年前、一足先に無形文化遺産になったが、現在の製造所は4軒だけ。石州半紙技術者会の川平正男会長(73)は「登録後を振り返っても、紙の消費量が増えたとか、脚光を浴びたとかいうわけではない。人口減で市場は小さくなっており、将来が心配だ」と話す。
西田誠吉事務局長(59)も「産地はほかにもたくさんある。登録が和紙の文化を見直す機会になればありがたい」と語った。(SANKEI EXPRESS)
■無形文化遺産 2006年に発効した無形文化遺産保護条約に基づき、ユネスコが登録、保護する各国の芸能や祭礼、伝統工芸技術など。現在の総数は281件。建造物や遺跡、自然環境などが対象の「世界遺産」、文書や絵画などを保護する「記憶遺産」と並ぶユネスコ三大遺産事業の一つ。日本からは歌舞伎や能楽、和食など22件が登録済み。「和紙」は「石州半紙」を拡張し名称を変える形になるため、登録されても総件数は増えない。