ざわついた雰囲気の中、スマートフォンを構えた人がびっしりと立ち並ぶ大阪・ミナミの戎橋(えびすばし、大阪市中央区)。23日午後6時27分、道頓堀に「ついた!」という歓声が響き渡り、人々の顔をブルーの明かりが照らし出した。
道頓堀のシンボルとして親しまれる江崎グリコの電光看板が6代目に生まれ変わった瞬間だ。14万個のLEDを使った、新しい看板は、自由自在に表情を変えていく。まばゆいほどに色鮮やかな『グリコサイン』が詰めかけた人たちの心を染めた。
3月に始まった広島市での6代目の製作から、5代目の解体、10月の点灯式までの“熱い”ドキュメントをお届けする。
6月末の戎橋、くいだおれ太郎が5代目消灯まで「あと50日」と告げていたころ、広島の工場では、6代目が足元から組み上げられていた。7月24日に全体像を撮影、製作は着々と進んだ。
8月17日夜、5代目が消灯。看板裏で電源を落とした江崎グリコ広告部の鈴木輝生さんは「惜しむ声を聞いて感動した」。