若者に人気のクラブが変化を迫られている。警察庁の有識者会議が今月10日、ダンスをさせる店かどうかで未明の営業を規制している現行風営法を見直し、店内の明るさを基準とする案を示した。これまでかろうじて摘発を逃れてきた多くの店も、警察が照度という明解な基準を手にすることで、取り締まりが強化される可能性が出てきた。
風営法見直し折衷案
9月の週末、深夜の東京・六本木。照明を落としたクラブの店内は、踊る客は1組のカップルだけで、約20人が座ってグラスを傾けていた。フロアの様子が一変したのは午前1時すぎ。本来は営業が許されない時間になって、酒を飲んだ若者らが続々と集まり始め、店内は入り乱れて踊る男女約200人でごった返した。
風営法の規定で風俗営業とされるクラブ営業が許されるのは原則午前0時まで。警察は「薬物乱用や暴力など犯罪の温床になる」として取り締まりを続け、都内では人気クラブが相次いで摘発されたが、違法営業を続ける店も多い。
「ダンス文化は社会に浸透している」「規制は時代遅れ」。音楽家らから批判が続出したことを受け、警察庁は風営法の見直しに動き出したが、クラブ営業の規制緩和をめぐり、賛否は真っ向から対立した。