「クラブ帰りの客が路上でたむろし、マナーの悪さが困る」。法改正に向けた有識者会議のヒアリングで、六本木の住民団体は地域の実情を訴え、クラブが集まる大阪・ミナミの町会も「騒音で寝られない日々が続いたが、取り締まりで平穏が戻った。再び『暗黒時代』に戻さないで」と求めた。
一方、クラブ経営者側は、トラブルが起きても違法営業が発覚するのを恐れて届けない店が多いが、「朝までの営業が認められれば、(違法営業ではなくなり)警察と連携しやすくなる」と反論。
双方に配慮した折衷案が、店内の照度を基準に「休憩時間の映画館と同程度」の10ルクス超のクラブに未明の営業を許可するとした改正案だった。
「取り締まりに好都合」
六本木のクラブの店内で照度を測ると、飲食やダンスのスペースは5ルクス以下。曲に合わせて揺れる赤や青などのレーザー光線とミラーボールの反射でわずかな明かりを得ているだけだった。
「音や光などが絡まってこそのクラブ。明るさの加減にも意味がある」。DJの男性は、朝まで営業できても「明るいクラブ」には反対だ。