もっともユウタロウは作品の冒頭で早々と死んでしまったため、夫婦の会話といえば、大泉が憑依した人物とばかり。派手なけんかまで繰り広げる異例の経過をたどった。だがリハーサルでは、大泉がみんなに交じって演技をしたので、本番で新垣は大泉独特のテンポを頭に残し、感じながら、うまく撮影に臨めたという。「キャラクターの設定は現実離れしているけれど、扱うテーマはいずれ誰もが経験するに違いない身近で現実的な悩みばかり。見た後、とてもほっこりとして、疲れない作品ですよ」。新垣はごく普通の人間ドラマであることを強調した。
もし誰かに憑依できるとしたら、自宅で飼っている犬とヒョウモントカゲモドキを真っ先に挙げた。「特にヒョウモントカゲモドキはいつも無表情なんですよ。果たして今の生活に満足し、幸せなのか、飼い主として知りたいですね」。11月8日、全国公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:寺河内美奈/SANKEI EXPRESS)
■あらがき・ゆい 1988年6月11日、沖縄県生まれ。2001年、芸能界へ。モデル、女優、歌手として活躍。主な映画出演作は、07年「恋するマドリ」「ワルボロ」「恋空」、08年「フレフレ少女」、09年「BALLAD 名もなき恋のうた」、10年「ハナミズキ」、12年「麒麟の翼~劇場版・新参者~」など。