うまく演じないで
ただ、大人となった自分を一生懸命に演じ続けることで、そのうち視聴者の意識も現在のイメージに追いついてくれるだろうとも思っている。実は豊島監督とのタッグは3回目。安達は全幅の信頼を寄せており、撮影では多少の恥ずかしさはあったが、カメラが回ってしまえば、ことのほか、落ち着いて演技に臨むことができた。むしろ戸惑ったのは、「女優として培った技術を使わないでほしい。うまく演じないでほしい」という豊島監督の指示だった。どうすればごく自然な佇まいを醸し出せるのかを常に念頭に置きながら、安達は試行錯誤を続けたという。
8歳となった娘は「私も女優になりたい」と口走るようになった。安達の答えは現実の厳しさに根ざした厳しいものだった。「今は学校の勉強をしっかりした方がいいとアドバイスしています。私はたまたま女優として売れたけれど、もし人気が出なければ、本当につらい思いをさせてしまいますからね」。11月8日から全国順次公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:林俊志/SANKEI EXPRESS)