NHK連続テレビ小説「マッサン」のモデルとなった「ジャパニーズウイスキーの父」竹鶴政孝氏と、彼を支えた最愛の妻、リタさん。彼らの足跡をたどって、英スコットランドを訪れた。そこには竹鶴氏がウイスキーづくりの手本にしたスコッチウイスキーを含め、独自の文化に対する熱い思いがあった。
スコットランド一巡
旅は「首都」であるエディンバラを出発点に、リタさんの出身地であるカーカンテロフ(現在のイーストダンバートンシャー地区)、2人が将来を誓い合ったローモンド湖畔、フォートウィリアムと北上。さらにネス湖からインバネス、「スペイサイド」と呼ばれるスコッチウイスキーの一大産地を巡り、イングランド軍との攻防戦で名高いスターリング城を経て、産業革命の拠点だったグラスゴーへと続いた。
直前に住民投票が行われ、独立は退けられていたが、エディンバラ城や国立美術館、ネス湖に臨むアーカート城やスターリング城での展示や解説には、イングランドに対抗して独立を守った先達たちへの親愛と尊敬の念があふれていた。