壁の崩壊時、東独の人口は約1600万人。国の統一は「歴史的に例のない挑戦」(グライケ氏)だった。ヘルムート・コール元首相(84)は当時、楽観的な見通しも示したが、統一後には旧東独地域の経済が一段と悪化した時期もあった。再建に投じられた総額は2兆ユーロ(約285兆円)とも試算される。
「数年以内に輝かしい光景になるという期待が正しくなかったのだ」。ドイツ経済研究所のフラツシャー所長はこの20年余の成果を前向きにとらえる。
状況が改善されたとはいえ、経済格差は厳然として残る。旧東独でも、西部から大企業が進出した一部地域に発展が偏っているとの指摘もある。小規模企業が中心の産業構造で生産性が低いことも課題で、近年は格差縮小のペースも鈍化。「今後20年でも、旧西独地域に追いつくとは思わない」(専門家)との声も聞かれる。
実施中の旧東独地域の再建プログラムは2019年で終了する。政府や州ではこれに伴い、統一コストをまかなうために全国で徴収してきた「連帯税」の取り扱いの検討を始めた。