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【続・灰色の記憶覚書】散歩する帰郷 長塚圭史 (4/4ページ)

2014.11.10 14:40

「ふるさと」を思うとき、なぜか夕暮れの光景を思い浮かべてしまうような。あんまり暮れると照れくさいので、夕暮れの少し前=2014年10月21日(長塚圭史さん撮影)

「ふるさと」を思うとき、なぜか夕暮れの光景を思い浮かべてしまうような。あんまり暮れると照れくさいので、夕暮れの少し前=2014年10月21日(長塚圭史さん撮影)【拡大】

  • 【続・灰色の記憶覚書(メモ)】演出家の長塚圭史さん(提供写真)

 親類やかつてのなじみのいない場所を「ふるさと」と称して散歩することを帰郷とするのは、狂気とまではゆかないまでも、妄想のようなたぐいのものではないかと自分でも思わないでもない。そこに今も息づく人々なしの「ふるさと」では、「ふるさと」から離れた私の視点も立場も浮かび上がらず、本当の帰郷にはならないのではないかと。けれど、かの地へ参ると、幼少期の私が小道から駆け抜けていく後ろ姿を見るような気がして、こうして現在までどうにかこうにか生きている自分の肉体を愛しく思えるようで、やっぱり私の「ふるさと」はここで、この散歩めいた帰郷はこれからも私を支えてくれるのだろうと信じてしまうのだ。(演出家 長塚圭史/SANKEI EXPRESS

 ■ながつか・けいし 1975年5月9日、東京生まれ。96年、演劇プロデュースユニット「阿佐ヶ谷スパイダース」を結成。ロンドン留学を経て、新プロジェクト「葛河思潮社」を立ち上げた。演出を務めるシス・カンパニー公演『鼬』が12月1日~28日、世田谷パブリックシアターにて上演。出演は鈴木京香、白石加代子、高橋克実ほか。

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