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【アラスカの大地から】大空のスナイパー ハクトウワシ (2/3ページ)

2014.11.10 13:30

幼鳥は体毛がまだらであるが、眼光の鋭さは早や成鳥並みである=2009年7月22日、米アラスカ州(松本紀生さん撮影)

幼鳥は体毛がまだらであるが、眼光の鋭さは早や成鳥並みである=2009年7月22日、米アラスカ州(松本紀生さん撮影)【拡大】

  • これぞハクトウワシのバタフライ。毎秒1ストロークの遠泳だった=2009年6月16日、米アラスカ州(松本紀生さん撮影)
  • なんと魚を持ったまま岸まで辿(たど)り着いたのだった=米アラスカ州(松本紀生さん撮影)
  • 風に乗り大空を漂う姿には憧れすら感じる=米アラスカ州(松本紀生さん撮影)
  • 米アラスカ州

 そのハクトウワシは翼を広げ、風を切り裂いていた。数秒後には獲物となるはずの魚へと一直線。あとはいつものように魚をわしづかみにし、飛び去るだけである。

 足を伸ばす。と、白い頭が海へと突っ込んでしまった。そのままもんどりうって全身が海水に浸り、まるで溺れて助けを求める人間のように羽でバタバタと海面をたたき始めたのである。見ているこちらも何が起こったのか分からない。それほど珍しい失態だった。どうやら捕まえた魚が大きすぎたようだ。重すぎて飛び立てず、海に落ちてしまったのだ。

 その後の彼の行動を一生忘れることはないだろう。なんと彼は泳ぎ始めたのだ。岸までの100メートル近くを延々と。しかもなんとバタフライで! ビデオも撮ったから嘘ではない。

 水没しても優雅に海面を切り裂くハクトウワシ。さすが国鳥である。(写真・文:写真家 松本紀生/SANKEI EXPRESS

ガイド:写真展「アラスカ原野行」

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