【メジャースカウトの春夏秋冬】恩師であるローイ・カーピンジャー氏(左)と大屋博行氏(アトランタ・ブレーブスの国際スカウト駐日担当)=1月18日、米国(大屋博行さん提供)【拡大】
ブレーブス内でもその手腕は高く評価され、次期GMとの呼び声も高かった。詳しい経緯まではわからないが、最終的には、チームはフランク・レン氏をGMに昇格させることを決定。ムーア氏はブレーブスを去り、ロイヤルズに迎えられた。
ロイヤルズではまず、ブレーブス時代に目をかけてきた有望なマイナー選手をトレードなどで古巣から獲得した。さらに、ブレーブスで培った育成メソッドをロイヤルズに定着させたかったのだろう。スカウトやコーチ陣、用具担当まで引き抜いた。自らの信頼がおける人物で周囲を固めた。
マイナーから育てる
「ダイヤの原石」といえる選手を探し、育て上げるブレーブスの伝統を形作ってきた人物ゆえに、ロイヤルズでも、マイナーから選手を育てることに徹した。
ブレーブスでマイナーの総責任者だったとき、ムーア氏が力を入れたのが選手に提供される食事の質を向上させたことだ。メジャーが「ステーキ・リーグ」なら、マイナーは「ハンバーガー・リーグ」と称されるように食事面での待遇差は歴然としている。しかし、ムーア氏はあえてマイナーの食事を改善する“先行投資”を行うことで、体ができていない若い選手がより高いパフォーマンスを発揮できる環境をつくろうとしたのだ。