【メジャースカウトの春夏秋冬】恩師であるローイ・カーピンジャー氏(左)と大屋博行氏(アトランタ・ブレーブスの国際スカウト駐日担当)=1月18日、米国(大屋博行さん提供)【拡大】
一つ思い出すムーア氏の“失敗”がある。
実は、ダルビッシュ有投手(レンジャーズ)が中学3年生のとき、来日していたムーア氏とアジア統括の責任者、そして私の3人で直接視察したことがあった。当時から直球は134キロを計測する逸材だった。私は「いま100万ドル出せば契約できますが、来年になったら1000万ドル出しても契約できませんよ」とムーア氏に推薦した。だが、いろよい返事はなかった。
ラテン系の選手は15歳でも145キロくらい平気で出してくる。ただ、それは人種の違いによる成長期の時期の問題なのだ。その点を当時のムーア氏は見誤っていたのだと思う。のちになって、ダルビッシュ投手の父とムーア氏がキャンプ地アリゾナのレストランで偶然顔を合わせたとき、「息子さんはすごい選手になったね」とあいさつしたそうだ。