ちょっとぶっ飛んだ行動に走る登場人物たち、まるで先が読めない筋書き、時折乱入する大きな怪物…。スペインのアレックス・デ・ラ・イグレシア監督(48)の型破りな作風は、新作「スガラムルディの魔女」でも変わらない。魔女伝説で知られるスペインの田舎町、スガラムルディを舞台に、イグレシア監督は人食い魔女と強盗団との仁義なき戦いを壮大なスケールで描いてみせた。
ベネチアで「2冠」
白昼のマドリード。イエス・キリスト、ゆるキャラ、軍人の格好をし、大道芸人に成り済ました5人組は、宝飾品店を襲撃。たまたま通りかかったタクシーの運転手を脅して逃走を図ったが、道に迷ってしまい、かつて魔女が火あぶりにされたという伝説が残るスガラムルディにたどり着く。
「難しいことを考えず、ひたすら観客が面白がってくれる作品を作ったつもりです。笑い飛ばしてくれればそれでいい。なにしろ作品に悪い魔女たちを起用するのは、25年ほど前からずっと温めてきた、とっておきの企画ですからね」とイグレシア監督。さんざん自由奔放な映画作りを楽しんだ揚げ句、大きな賞をしっかり手にしてしまうような創作スタイルなのだから、ライバルたちはじだんだを踏んで悔しがったに違いない。