「逢沢りく」(ほしよりこ著/文芸春秋、上下各1000円+税、提供写真)【拡大】
大阪の暮らしは続くが、りくとママとの関係は意地を張り合ったまま。「向き合うことを恐れる人たちが、それでも必死にもがいて、なんとか手を差し伸べようとするさまを追いかけてみました。多くの人には共感されにくく理解しがたい感情や行動も、本人たちにとっては、それしかなかったという結果です」
ほのぼのイメージ一変
一方で、大おばさんは、りくはもちろん、難病を抱える幼い孫など、たくさんの家族をどっしりと受け止める。「大おばさんのすごさとは、現実の世界で、目の前に連続して起こる小さなできごとに対処し続けている人が持っている安定感でしょうか。社会の中で自分の立ち位置に折り合いをつけ、与えられた役割をこつこつこなしている人だと思います」
率直な言葉でりくとママの心をほぐしてくれる男性陣も救いだ。「男女がわかり合えないことを前提として、男の人が持つ優しさに救いがある気がします。ちょっとしたあきらめの先に歩み寄ろうとすることで、助けられることがある気がします」