11月24日、ソチでロシア軍幹部との会議に臨むウラジーミル・プーチン露大統領(中央)。「外敵」をつくって国民を団結させるプーチン氏の手法は、スターリン時代から変わることのないロシアの伝統といえる=2014年、ロシア(AP)【拡大】
公開された37年9月20日付の秘密書簡(計35ページ)は、まさにこのハルビンからの帰還者を標的にしたものだ。ハルビン出身者の大量逮捕を命じた同日付の内務人民委員指令書に付属する文書として、各地の内務当局に送付された。帰還者が一様に、「日本のスパイ」としてソ連での諜報や破壊活動、テロを計画しているとの“筋書き”が詳述されている。
書簡は、日本の諜報機関がハルビンの反ソ団体と協力し、ロシア人居住者に対して「徴募」や「教育」を大々的に行ったと主張。ハルビン出身者はその上でソ連に「投入」されたとし、多数の「摘発事例」を挙げている。書簡は「わが国の企業や最も重要な鉄道施設の安全が、重大な脅威にさらされている」とし、治安当局の取り締まりが不十分だと結んでいる。