中国とロシアが共同で、中国東北部の吉林省に隣接するロシア極東地域で、北東アジア最大規模の港湾を建設することで合意した。中国紙「国際金融報」など複数の中国メディアが22日までに伝えた。最近、安全保障やエネルギー分野で関係を深めた中国とロシアだが、インフラ建設でも協力を強化した。今回のプロジェクトは、将来的に北極海航路の拠点を確保したい中国と、ウクライナ問題などで欧米から制裁を受け、低迷する国内経済を活性化させたいロシア側と思惑が一致したことが背景にあるとみられる。
中国紙などによると、港が建設されるのは、中露国境から約18キロで北朝鮮にも近いザルビノ。貨物取扱量が年間120万トンの現在の港を取り壊し、中国の資本でつくりかえる。2018年の完成予定で、最大で年6000万トンの貨物を扱える大規模港になるという。
当面、ロシアから石油や食糧などを南中国や東南アジアなどに輸出する際に利用されるが、将来的に中国の船が太平洋や北極海航路に進出するときにも利用される予定だ。中国の吉林省から港へ続く高速道路も近く着工されるという。