北極海航路を完全横断した船舶は2010年の4隻から13年の71隻まで増加。ただ、沿岸の港湾などインフラの荒廃は深刻で、ロシア独力での整備には限界があると指摘されている。(モスクワ 遠藤良介/SANKEI EXPRESS)
≪日本、官民で積極利用検討≫
日本では北極海の航路利用と海底資源開発への期待が高まっている。国際物流のあり方を変え、輸送費用の削減や資源調達先の拡大など大きな経済効果が見込めるからだ。
日本はこれまで、原油輸入の8割を頼る中東から原油を運ぶには、政情不安に左右されるホルムズ海峡や海賊が横行するマラッカ海峡を通らなければならず、長い日数と莫大(ばくだい)な保険料が輸送費を圧迫していた。
一方、北極海には世界の石油・天然ガスの埋蔵量の5分の1が眠っているとされる。このため、日本は官民を挙げて北極海の積極的な利用に動き始めている。政府は昨年4月に閣議決定した新たな「海洋基本計画」で、「将来の北極海航路の利用に向けた各種取り組みを加速化させる」と明記。7月には「北極海に係る諸課題に対する関係省庁連絡会議」を設置し、関係省庁の情報共有と連携を進めている。