≪北極海航路拠点 独力整備に限界≫
ロシアと中国が北極海航路の拠点となり得る港湾を共同建設する計画が明らかになり、ロシアが国策とする北極開発でも中国との連携を深める姿勢が浮き彫りになった。米欧の対露制裁で北極圏の石油・天然ガス開発にも黄信号がともり始めた中、資金力を有する中国の協力なしには国家的事業で展望を開けない事情が根底にある。
地球温暖化で脚光を浴びる北極圏について、ロシアは石油・天然ガス開発で欧米企業の参画を得る一方、軍備増強を重視してきた。中国をはじめ「非沿岸国」が北極の資源に熱い視線を注ぎ始めたことへの警戒感からだった。
ロシアは北西部を拠点とする北方艦隊を、年内に北極海担当の独立戦力に再編する方針。ノボシビルスク諸島では艦隊の常駐も可能な基地の建設に着手したほか、北極海航路に沿って点在する島々でソ連時代に存在した防空システムや軍用空港の再整備を急ぐ。
ただ、米欧が北極海の油田探査などに関する技術供与を禁じ、ロシアは北極戦略の見直しを迫られている。外国企業の資金や技術を得なければ北極海大陸棚の開発は困難で、将来の石油・ガス生産にも、資源輸送の動脈として期待される北極海航路の展望にも誤算が生じかねないためだ。