馬氏の求心力低下
「陳以真への投票は馬英九への支持」
南部の嘉義市では選挙戦中、国民党の女性市長候補、陳以真氏(37)のポスターの隣に、こんな文章だけのポスターが張られた。広告の依頼主は民進党員。強まる馬政権への反感を計算した上での「ネガティブキャンペーン」だ。
国民党の首長選関係者は「今回の争点は馬英九批判」と言い切った。与党が大敗すれば馬総統の求心力低下は必至で、馬氏が就任以来進めてきた中国との経済関係の強化は党内でも推進力を失う可能性が高い。
台湾メディアによると、中国で働く「台商」(台湾人企業幹部ら)のうち台湾に戻って投票した人数は、12年の総統選と比べ大幅に少なく、中国当局が馬政権への肩入れを避けたとみられている。大敗すれば、「中国側は馬政権を見放す」(研究者)との見方が出ている。