対中政策で不安視
一方の民進党は、躍進すれば、蔡英文主席(58)が次期総統選候補の地位をほぼ確実にする見通し。だが、総統選の勝利は楽観視できない。当時も蔡氏が主席を務めていた民進党は、09年の統一地方選で躍進し、10年の5直轄市長選では総得票数で国民党を上回り、政権奪還への期待が高まった。
しかし、12年の総統選で蔡氏は約80万票差で馬総統に大敗した。敗因の一つは、対中政策で「独立色」を払拭できず、経済界から不安視されたことだ。
半面、学生らによる今春の立法院(国会に相当)占拠で噴出した反中感情を考慮すると、安易に対中融和路線にすり寄ることは難しい。
台北市長選で当選を確実にした柯文哲氏は「イデオロギー対立の解消」が評価されており、二大政党対決を強調する従来の手法に戻っても、支持は広がらない可能性が高い。