それだけに自民党執行部は「勝てばアベノミクスの浸透を示す象徴区になる」と2日の出陣式には稲田朋美政調会長を、4日には下村博文(しもむら・はくぶん)文部科学相を送り込む。選挙戦後半には首相も3区入りする方向だ。
民主「追う戦い」
一方、捲土(けんど)重来を期す近藤氏の陣営は情勢をどう見ているか。陣営幹部は率直にこう打ち明けた。
「解散前の民主党の調査では10ポイント負けていた。前回でさえ解散時にはこっちが優勢だったのに…。『近藤はいいけど民主はダメ』という人はまだ多い。初めての追いかける選挙戦だ」
近藤氏は陣営で「05年の郵政選挙と雰囲気が似ている」と語っているという。この時も小泉純一郎首相(当時)の政治手法に反発する有権者は少なくなく、民主党候補の手応えは必ずしも悪くなかった。今回も「安倍政権は嫌だ」という拒否反応は確かにあるが、それが投票行動に結びつく実感がわかないそうだ。
対して池田氏は「こっちは完全に近藤氏の背中を見ながら走っている感覚なんだが」と首をかしげる。自民、民主両党とも有権者の動向がどうにもつかめない。これが今回衆院選の特徴なのかもしれない。(阿比留瑠比/SANKEI EXPRESS)