自分のホームページやフェイスブックに、この島での息子たちの野性味あふれる生活をアップしたところ、「自分もこんな自由な場所で、子供たちを思いっきり遊ばせたい」と、自分たちがこの村に訪れるタイミングに合わせて、やってくる親子連れの知り合いも少しずつ増えてきた。
しかし今、この豊かな自然が多く残るヤップに、中国人投資家による一大リゾート開発の波が押し寄せてきている。陸には数千も客室のある大型リゾートホテルやカジノが建設され、マンタの住む海も大型の船が出入りできるように、大幅な開発が行われる可能性もあるという。
この小さな南国の島は、今、リゾート開発賛成派と反対派に分かれて対立している。ヤップ州では、先月、将来のリゾート開発の指標にもなる、州知事選が行われた。結果は、開発賛成派の知事が当選した。
外から来た自分たちに、「大規模リゾート開発反対!」と声高に言える権利はないのかもしれない。しかし、ここを訪れた多くの子供たちが、テレビもゲームもなくても、一日中楽しんでいられる、「またヤップに行きたい!」「ヤップに住みたい!」と、素直に口にできる、みせかけではない、素晴らしい自然と人々の生活の知恵が残されている。