「表記の統一」も重要な留意点の一つだ。ある候補者には「松下電器社員」としながら、別の候補者に「電器メーカー社員」と表記すれば、公平性を欠いてしまう。「会社経営」「会社社長」「会社役員」なども読み手に与える印象は微妙に異なるからだ。
プロフィルを整えた後は、公示日の動きに合わせて立候補者を届け出順に並べるなどの紙面作りのリハーサルを何度か行う。今回の衆院選は、突然の衆院解散だったこともあり、公示までの事前準備の期間が極めて短かった。リハーサルは実質2回しかできず、11月末の最後のリハーサルでは、印刷に出す直前の紙面を確認するための「ゲラ刷り」と呼ばれる段階で、半分以上の候補者の選挙区が正しく表示されない「トラブル」が起きた。原因を探ると端末の操作ミスと判明したが、もしシステムの故障であればこれまでの作業が台無しになりかねないため、選挙班員はみな冷や汗をかいた。
公示日はミスなしで乗り切った。選挙班は14日の投開票日に向けた作業に没頭している。(政治部 力武崇樹/SANKEI EXPRESS)